今回は、フランクフルト国際空港でドイツ鉄道に乗り換える際、ルフトハンザの航空券を使用した場合の乗り換え方をご紹介します。
ドイツ鉄道ICEについて
ドイツ鉄道とは
ドイツ鉄道は、ドイツ全土に広大なネットワークを形成する鉄道です。日本でいうと分裂前の国鉄のような感じです。ドイツ全土のネットワークがあるので、この鉄道だけでドイツどこでもいけます。
ICEと呼ばれるドイツ鉄道の新幹線は最高速度300km/hでドイツ主要都市やドイツを超えてヨーロッパ各国の都市を結んでいます。また、各国の高速鉄道(フランスのTGVなど)との相互運転も実施されておりヨーロッパ内の移動に便利な存在です。
空港の鉄道駅同士を結ぶ列車
ヨーロッパの高速鉄道で特徴なのが、空港まで高速鉄道が乗り入れている点です。
フランスの新幹線であるTGVもシャルル・ド・ゴール空港に乗り入れていますし、ヨーロッパでは空路と鉄路がちょうどよく融合しているところが多いです。(もっともLCCの台頭でその流れも変わりつつありますが)
ドイツ鉄道も例外ではなく、ドイツのフランクフルト国際空港などドイツ国内の様々な空港にドイツ鉄道のICEは乗り入れており、都市部に出なくても高速鉄道に乗り換えることができます。
フランクフルト空港駅
ドイツの玄関口、フランクフルト国際空港には、フランクフルト市街に出なくてもICEを始めとしたドイツ鉄道各路線に乗り換えることができるフランクフルト空港駅があります。空港に直結した路線で、ここからドイツ各地に向かうこともできます。
フランクフルトと名前のつく駅は他にもフランクフルト中央駅があり名前が酷似しているので、列車の予約の場合や乗車する場合は特に注意しましょう。
ルフトハンザとドイツ鉄道のコードシェア便
コードシェア便とは
ここからは、飛行機の話。
コードシェア便とは、他社運航便のことです。提携している他社が運行している航空便の座席を買い取ってそれを自社の顧客に販売することで、自社が運行していない場所やフライトの時間が空いてしまっているところを埋めることで利便性をよくする狙いがあります。
他社運航便なので、チェックインカウンターや空港・機内でのサービスは運行する航空会社に準じたサービスとなりますが、マイルは購入した航空会社のもので積算されたり、上級ステータスを保有している場合、ラウンジサービス等の対象となるばあいがあります。
航空券で列車に乗る
ドイツのルフトハンザ航空の場合、このコードシェア便は飛行機だけでなく鉄道に広げてサービスを行っています。
Lufthansa Express RailやAIRRailサービスと呼ばれるこのサービスは、ドイツ国内の主要都市を結ぶフライトに変わって、ドイツ鉄道のICEをフライトに見立てて販売するもので当然乗るのは列車で、乗るところも駅のプラットホームからと普通の鉄道と変わらないものの、乗車券ではなく搭乗券(飛行機のチケット)で列車に乗ります。
券面にもルフトハンザと運行はドイツ鉄道の記載があります。
ANAの特典航空券でも発券可能
この鉄道とのコードシェア便は、れっきとしたルフトハンザ航空のフライト扱いになっているので、ANAの国際線提携会社特典航空券、いわゆるマイルを使った航空券でも発券可能です。
旅程検索システムでも、このコードシェア便はヒットしますしルフトハンザ(LH)の便名で発券することができます。
フランクフルト空港と空港駅での乗換方法
空港職員でもわかっていないちょっと複雑な乗換方法
さて、このルフトハンザとドイツ鉄道とのコードシェア便ですが、フランクフルト国際空港での乗り継ぎが少々厄介です。
特に日本の空港から旅程が始まって、日本からフランクフルトまでのフライトでそこから鉄道乗り継ぎの場合、チェックインカウンターの地上係員もこの特殊な乗り継ぎを理解している人が少ないようで間違ったアナウンスがある場合があるそうなのでしっかり事前に確認しておきましょう。
航空券の受け取り方
通常、航空券(列車の乗車券)はスルーチェックインが可能なので、旅程の最初のチェックイン時に連続して発券されることが多いです。
もし、乗り継ぎ時間の関係等で発券されなかった場合はルフトハンザ国際空港の鉄道駅のルフトハンザカウンターで発券する必要がああります。鉄道駅にそのまま進んでいくと途中にルフトハンザのカウンターが見えてきますからそこで発券します。詳細は、時々項の受託手荷物の引取方法の項でご紹介します。
受託手荷物の預け方
出発空港での手荷物の預け方は至って普通。カウンターで荷物を預けると手荷物引換証となるタグの控えが出てきます。
上のタグでは、デュッセルドルフ中央駅(3レターコードはQDU)まで運んでくれそうな「TO QDU」の文字が印字されています。
ここで注目したいのが、行き先は鉄道の行き先の3レターコードになっています。あたかも鉄道の降車駅まで荷物を運んでくれそうですが、残念ながら鉄道では手荷物はすべて自分で運ばないといけません。この3レターコードが出発空港の地上係員を惑わせている原因になっているのですが、いかんせん預けた手荷物はフランクフルト空港ですべて引き取る必要があります。
【重要】受託手荷物の引取方法
受託手荷物をフランクフルトで引き取る方法がまた手順をややこしくしています。ドイツ鉄道乗り継ぎのタグで預けた手荷物は、フランクフルト空港内のターンテーブルではなく、鉄道駅の中にあるルフトハンザのラゲッジクレーム内で受け取る必要があります。
飛行機から降りたあと、まずは普通に出口まで向かいます。
このあと、手荷物受取所のターンテーブルはスルーしてそのまま出口から出てしまいます。
そして、誘導看板に従って鉄道駅「TrainStation」に向かいます。下の誘導標識にあるAIRail Terminalが目標とする地点です。
すると、鉄道駅への誘導が2つに別れます。左側の駅は短距離列車の駅なので、ICEは奥へ進む長距離列車の方面へ進みます。AIRail Terminalの標識も参考にしましょう。
写真がぶれていて非常に恐縮なのですが、駅の入口付近にルフトハンザの黄色の看板が出現します。この看板の左側に鉄道とのコードシェア便のチェックインカウンターが並んでいます。チェックインカウンターの奥側(チェックインカウンターに向かって右側)に鉄道への乗り継ぎ専用の手荷物受取所があります。
一般の手荷物受取所とは一風変わった場所。ターンテーブルもありませんがここで正解です。このいかにも非常口っぽい扉、看板をよく見ればたしかにEntry(入口)の掲示があります。この扉の奥で手荷物が到着するのを待ちます。手荷物は、手押し台車で載せられてくることもあればかかりのおっちゃんが手運びで持ってきてくれます。通常より待つので気長に待ちましょう。
あと、一応国際線からのフライトもあるので税関があります。ゲートがあるだけで別に検査官が常駐しているわけではなさそう。申告なしの場合は緑のところから出場します。(ちなみに税関にいるおっちゃんは手荷物を運んできてくれるルフトハンザの係員です。なのでほんとに無人です。)
受託手荷物を受け取ったら、ルフトハンザターミナルの出口出て左手に進んで鉄道駅に向かってください。
列車のプラットホームに向かう
普通、鉄道の搭乗券にホームと時刻が記載されていますが、念のために発着ホームを確認しておきましょう。
出発する列車の案内板(駅に入ると正面にでっかく居ます)には、時刻、ICEの列車番号、途中駅、行き先、ホーム番号、備考の順に表示されています。
鉄道の航空券には、ルフトハンザの便名(LHから始まる)しか掲載されていませんので、LHの便名を探す必要があります。
LHの便名はスクロールする備考のところに出てきますので、出発時刻で列車の目星をつけて、LHの便名がスクロールしてくるのを待ちます。(下の写真だと上から4番目と6番目の列車にLH便名があります)
プラットホームを見つけたら直接ホームに向かいます。
ドイツ鉄道には改札がありません。列車内での検札があります。
指定座席を探す
鉄道の搭乗券の券面には号車番号と座席番号が印字されています。
これとホームの停止位置案内と比較します。
今回例では、LH3528の029号車065番の座席が割り当てられているので、
- LH3528の列車番号を探す
- 29号車を見つける(必ずしも号車分の車両があるとは限らない)
- 停止位置を確認する(ホームに位置の記号があります。JR千葉駅の柱番号みたいなかんじ)
- 現在地を確認して目安の場所に向かう(案内の赤い丸印が現在地)
という作業を行います。
車内に入り、座席番号を確認の上着席しましょう。
車内には大型手荷物置き場があります。
また、旅客案内ディスプレイもあり、到着順や到着時刻、何分早着or延着かまで表示されています。ドイツならでは?
ビジネスクラス以上の航空券では一等車、日本のいわゆるグリーン車に乗車でき、AC電源やUSB電源もあり短時間ながら快適なフライト(?)でした。
今回は、夜の移動でしたがこれが日が昇っている日中だとライン川沿いを経由するルートであったりと景色も大変に美しいそうです。
まとめ
では、さいごにこの記事のまとめです。
- ルフトハンザには鉄道とコードシェアをしている便がある
- スルーチェックインしていても鉄道での乗換駅で手荷物をすべて引き取る必要がある
- 手荷物のタグが鉄道の到着駅までとなっていたら手荷物は鉄道駅のターミナルで引き取る
- チケットの便名・号車番号・座席番号をしっかり確認して乗車
みなさんのヨーロッパ旅行の参考になれば幸いです。
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