成田空港のLCCターミナルターミナルとして利用されている第三ターミナルが拡張工事を行うことになりました。
”http://www.aviationwire.jp/archives/146683″現状の第三ターミナル
最大で750万人の搭乗客をさばけるように設計された第三ターミナルですが、2016年度の時点ですでに680万人以上の搭乗客が押し寄せており、非常に混雑している空港になっていました。
特に、出発と到着が同じフロアにあるおかげで、通路を歩くのもやっとの状態。ベンチに座れると幸せになれるというくらいに何をするにも一苦労するターミナルでした。
そこで、空港会社は出発客と到着客の動線を分けるという、現在の空港にとってあたりまえのものを設置する工事をようやくはじめました。これが昨年末の拡張計画です。
- 出発客・到着客の分離
- インラインスクリーニングシステムの導入
- スマートセキュリティシステムの導入
インラインスクリーニングシステムは、受託手荷物を運搬中にセキュリティチェックを行うことです。従来は係員が一つ一つX線検査機でスキャンする方式でしたが、これが、成田の他のターミナルや羽田空港のようになり、効率が大幅に上がります。
スマートセキュリティシステムは、保安検査場での機内持ち込み手荷物の検査場のレイアウトを工夫することでより多くの搭乗客を一度にさばけるようなシステムです。日本では関西空港第二ターミナルや伊丹空港の保安検査場で採用されています。
これだけでは、小手先での混雑緩和計画なので、空港会社は早々に第三ターミナルを第二ターミナル側に拡張することを決めていたようです。
拡張に対する問題
ただし、この拡張に一つ問題がありました。第二ターミナルと第三ターミナルの間には貨物地区が存在しており、JALの貨物ビルがネックになっていました。
この貨物地区を移転させるか否かでJAL側と交渉が進められていたようです。
今回の、拡張決定はその移転先が決まってJALと合意が取れたために決定したものです。
この拡張で実現しそうなこと
ここからは、なんごくの予想や期待になりますが、この拡張計画で以下のことが予想・期待されます。
第二ターミナルと連結
第二ターミナルと連結することが予想できます。第三ターミナルのサテライト部を国内線専用に運用し、第二ターミナル側を国際線運用にすることで、エアサイドを含めて第二ターミナルと連結したものになることが予想できます。
ただし、空港利用税等の問題もありますので搭乗客が第二ターミナルと第三ターミナル間を移動することができないかもしれません。第二ターミナル入居のLCCが第三ターミナルの施設を利用するといったケースが想定されます。
ピーチが第三ターミナルに移転
バニラエアと統合する以上、ピーチが第三ターミナルに移転することは確実でしょう。那覇空港は将来の拡張計画があるから別としても、関西・成田の拠点がLCCターミナルを利用するようになるのは日本のLCCでは初になるものと思われます。
思うこと
そもそも、LCCでは経費削減が大事なのであって、従業員の数を減らして、負担を軽減することが航空会社にとって一番メリットが有るわけです。なので、LCCだからといって地方空港にあるような設備をそのまま採用するのではなくて、最新の機械・設備を導入することが大事であるはずです。
インラインスクリーニングシステムの導入も、空港会社はLCCだからといってがここまで拡大することは予想できなかったと言っていますが、それが航空業界のプロともいえる成田空港が言えることですかと。設計当初から計画に入れておくべきものであると思います。
昨年、シンガポールのチャンギ空港に新しい第4ターミナルが開業しました。LCCの施設も併設されていますが、チャンギ空港はLCCだから安い設備で設計することは間違いであったとして、最新の設備をもったターミナルをLCC向けに投入しました。チェックインから手荷物預け入れ、出入国審査まで機械によって自動で行われます。成田空港もこれを目指して運用をすれば、本気で成田空港復活が目指せるのではないかと思います。
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